教誨について

総裁紹介

公益財団法人全国教誨師連盟では、平成29年６月に総裁の交代が行われました。
新総裁は、浄土真宗本願寺派ご門主大谷光淳師（40）です。
全国教誨師連盟は、昭和37年に当時の浄土真宗本願寺派ご門主大谷光照師師が基本財産を拠出して立ち上げた財団法人で、
初代総裁に大谷光照師が就任しました、第2代総裁は同じく当時のご門主であられた大谷光真師で、新総裁の大谷光淳師は3代目に当たります。

大谷光淳師は平成26年に浄土真宗本願寺派の法統を継承し、平成28年には世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のヤンググローバルリーダー2016に選出されています。
総裁は全国約1,800名の教誨師の心の支柱・象徴としてあるばかりではなく、理事会等に出席し、大所高所からの意見を述べ、
連盟の進むべき方向を指し示すこともあるとされています。

全国教誨師連盟広報誌教誨あれこれ第3号より

宗教教誨と教誨師

宗教教誨とは、字義的には教え諭すことであり、
宗教教誨とは全国の刑務所、拘置所、
少年院等の被収容者に対し、
各教宗派の教義に基づき、
徳性や社会性の涵養を図り、
健全な人格の形成に寄与する作用です。
これらの活動を矯正施設からの要請を受け、
ボランティアとして行っている
民間の宗教家が教誨師です。

「近代宗教教誨師発祥の地」記念碑の写真

「近代宗教教誨師発祥の地」記念碑
平成21年3月26日　名古屋刑務所庁舎前に建立される。
主碑　縦：2.3メートル　横：3.2メートル　　白御影石

近代教誨の始まり

我が国において、刑に服している者に対して、
宗教的立場から教化に尽力した高僧たちの
事績を種々の伝記類に見ると、
遠く平安前期に遡ることができる。近代については、石碑横の説明書きのとおりである。

近代宗教教誨について

我が国における近代の宗教教誨は、真宗大谷派の僧侶乗西寺啓潭が名古屋監獄（現・名古屋刑務所）の前身である徒場に囚人教化を請願し、明治5年（1872）7月に認可を受けて実施したことに始まる。時を同じくして各地において、他の宗教家から同様の請願がなされ、順次認可されて宗教教誨が行われるようになった。爾来、１３０年余の歳月を経て、多くの教誨師の切磋琢磨により、それぞれの宗教観に基づいた指導を行う教誨の形となった。ここに、近代宗教教誨の始まりを明らかにし、宗教教誨に必要性と重要性を宣布するとともに、宗教教誨への情熱を忘れることなく、更なる発展を目指すことを誓い、愛知県教誨師会が発起人となり、記念碑を建立する。

沿革

目的

全国教誨師連盟は、教誨師が矯正施設において被収容者に対し精神的・倫理的・宗教的な教誨活動を円滑に行えるよう支援することを本旨としています。教誨は自己の信ずる教義に則り、宗教心を伝え、被収容者の徳性を涵養するとともに、心情の安定を図り、被収容者には自己を洞察して健全な思想・意識・態度を身につけさせ、同時に遵法の精神を培い、更生の契機を与える。もって、矯正の実をあげ、社会の安定に寄与することを目的とします。

事業

全国教誨師連盟は、この目的を達成するため、次の事業を行います。

１　宗教教誨に関する調査及び研究事業
２　教誨活動を充実発展させるための支援及び能力開発事業
３　関係官庁、教宗団及びその他の関係機関との連絡調整並びに教誨活動に関する提言事業
４　その他公益目的を達成するために必要な事業

宗教教誨の歴史

真宗大谷派僧侶が巣鴨監獄、名古屋監獄において在監者の改過遷善のため獄舎において説教を行ったことが宗教教誨の始まりであり、以後東西両本願寺の僧侶が中心となって現行憲法制定時まで教誨を行っていた。

明治5年	真宗大谷派僧侶が巣鴨監獄、名古屋監獄において在監者の改過遷善のため獄舎において説教を行ったことが宗教教誨の始まりであり、以後東西両本願寺の僧侶が中心となって現行憲法制定時まで教誨を行っていた。
明治14年	監獄則の制定により法令に基づく宗教教誨が正式に発足した。
明治41年	監獄法が施行され、初めて法律に基づく宗教教誨が行われた。
昭和21年	5月に神道、仏教、キリスト教等に対し、教誨師の派遣要請がなされた。
昭和29年	第1回全国教誨師大会が大阪市で開催された。
昭和31年	第3回全国教誨師大会において「全国教誨師連盟」設立が決議され、会長に大谷光照師が推挙された。
昭和36年	「財団法人」の設立を申請する。
昭和37年	2月5日　法人登記が完了し、総裁に大谷光照師が推挙された。
昭和38年	4月に事務所を東京都中野区新井三丁目37番2号矯正協会内に移転した。
平成4年	10月1日「特定公益増進法人」の指定を受けた。
平成8年	大谷光照師の辞任に伴い、後任総裁に大谷光真氏が推挙された。
平成14年	4月25日に矯正会館の新築落成に伴い、事務所を現在の矯正会館内に移転した。
平成18年	6月　常陸宮殿下・常陸宮妃殿下ご臨席のもと、連盟創立50周年記念全国教誨師大会が東京都において開催された。
平成21年	3月　名古屋刑務所庁舎前に「近代宗教教誨発祥の地」の石碑を立てる。
平成24年	4月1日　「公益財団法人」への移行登記を行う。
平成29年	6月9日　第3代総裁に大谷光淳師が就任された。